歯列矯正で歯が動きやすい人の特徴|動きが早い人・遅い人の違いと動きやすくするコツ

歯列矯正で歯が動きやすい人の特徴|動きが早い人・遅い人の違いと動きやすくするコツ

歯列矯正を考えている方、あるいは矯正中の方の中には、「自分は歯が動きやすいタイプなのだろうか」「できれば早く終わらせたい」と感じている方も多いと思います。そう感じるのは、ごく自然なことです。

結論から言うと、歯列矯正には確かに「スムーズに進みやすい人」がいます。ただし、それは生まれつきの体質だけで決まるものではありません。毎日の装置の使い方や、ゴムかけをどれだけ安定して続けられるかといった「続け方」で差が出ることもありますし、そもそも治療で必要になる歯の動きが「比較的シンプル」なのか「難しい動きが多い」なのかによっても、かかる期間は変わってきます。

この記事では、「歯が動きやすい人」と言われる方に共通しやすい特徴を、できるだけ患者さん目線で分かりやすく整理します。装着時間が同じでも外す回数が多いと進みにくく感じることがある理由、ゴムかけが治療の進み方に関わる場面、逆に「動いていない気がする」ときに確認したいポイント、そして早く終えたい方が今日から意識できるコツまでまとめて解説します。

読んだあとに、「自分の場合は何を優先すればよいか」「どんなときに相談したらよいか」が見えて、過度に焦らず治療に向き合える状態を目指します。

「矯正が早く終わりやすい人」の共通点

歯列矯正を検討している方にとって、「できれば早く終えたい」「自分は動きやすいタイプなのか」が気になるのは自然なことです。けれど、歯列矯正が早く終わりやすいかどうかは、体質だけで決まるものではありません。実際には、大きく分けて二つの要素が関わります。

一つ目は、毎日の装置の使い方が安定しているかという「続け方」です。もう一つは、治療で必要になる歯の動きがどれくらい難しいかという「治す内容の難しさ」です。

この二つがうまく噛み合うと、治療はスムーズに進みやすくなります。逆に言えば、もし「思ったより時間がかかりそう」と感じたとしても、それは必ずしも「歯が動かない体質だから」という話ではありません。生活の中で改善できる部分があるケースも多いので、まずは仕組みを知っておくと安心です。ここから、早く終わりやすい方に共通しやすいポイントを、できるだけ分かりやすく整理していきます。

日々の続け方で差が出やすい「装着」と「ゴムかけ」

歯列矯正は、診療室の中だけで完結する治療ではありません。とくにマウスピース矯正は、患者さんご自身が装置を着け外しするため、日々の習慣が治療の進み方に影響しやすい特徴があります。

同じ装置を使っていても、装着が安定している方ほど計画通りに進みやすく、逆に装着が不安定だと、途中で微調整が増えて結果的に遠回りになることがあります。

もちろん「頑張れていないからダメ」という話ではありません。仕事や家事、学校、食事のスタイルなど、それぞれ事情があります。ただ、続け方を少し工夫するだけで「進みやすさ」が変わることもあるため、早く終えたい方ほどここは押さえておきたいポイントです。

装着時間が同じでも「外す回数が少ない人」は進みやすいことがある

マウスピース矯正では「1日20時間以上装着しましょう」と説明されることが多いと思います。装着時間は確かに重要です。ただ、もう一段踏み込むと、同じ20時間でも「どういう20時間なのか」で差が出ることがあります。

たとえば、間食が多くて一日に何度も外す方の場合、装着が細切れになりやすくなります。すると、歯にかかる力が安定しにくく、思ったより動きが揃わないことがあるのです。臨床の感覚として、こうした「外す回数が多い」生活が続くと、最後の仕上げ段階で下の前歯の微妙なねじれが残り、そこから細かい調整に時間がかかる、といったことがあります。装着時間は守れているのに、なぜか最後だけうまく決まらない、という状況になりやすいイメージです。

この場合、「もっと長く着ける」よりも、「外す回数を減らして装着を安定させる」ほうが現実的な解決になることがあります。間食を完全にやめる必要はありませんが、外す場面をまとめる、外す回数を少し減らすだけでも、治療が安定しやすくなる可能性があります。

ゴムかけを指示通り続けられる人は、噛み合わせが整いやすい

もう一つ、治療の進み方に影響しやすいのがゴムかけです。ゴムかけは、歯並びだけでなく噛み合わせを整えるために必要になることがあり、指示が出ている場合は治療の質に関わる大切な要素になります。

ゴムかけは「気が向いた時に頑張る」というより、「毎日できるだけ続ける」ほうが結果につながりやすいものです。完璧にできない日があったとしても、できるだけ日々コツコツ続けられる方は、噛み合わせの調整が大きく崩れにくく、結果的にアライナーの追加などの調整が少なく済むことがあります。

逆に、ゴムかけが必要なタイミングで続けるのが難しいと、噛み合わせが整うのに時間がかかったり、途中で計画を見直す必要が出たりすることがあります。だからこそ、早く終えたい方ほど「やる気」より「続けられる仕組み」を先に作ることが大切になります。具体的なコツは後半で詳しくお伝えします。

治す内容によっても歯の動きに差が出ます

同じように装着を頑張っていても、治療期間に差が出ることがあります。その理由として大きいのが、「どんな歯の動きが必要か」という点です。

歯列矯正は一言で「歯を動かす」と言っても、動き方には種類があります。比較的シンプルに整うケースもあれば、難しい動きが多く、どうしても時間がかかりやすいケースもあります。ここを知っておくだけで、「自分が遅いのでは」と過度に不安になりにくくなります。

傾ける動き中心で整う場合は、予定より早く進むこともある

たとえば、歯のガタガタを整えることが中心で、動かす距離がそこまで大きくない場合は、治療がスムーズに進むことがあります。歯を少しずつ並べていく動きが中心で、難しい調整が少なければ、計画通りに進みやすく、予定より早く終わることもあり得ます。

もちろん、同じ「ガタガタ」でも重なりの強さやスペースの状況で難易度は変わるため、一概に言い切ることはできません。ただ、「動きの種類が比較的シンプル」「動かす距離が短い」という条件は、早く終わりやすい要素になりやすい、というのはイメージしやすいと思います。

「口元を下げたい」目的が強いほど時間がかかりやすい

一方で、前歯を下げて口元を引っ込めたい、横顔の印象を整えたいといった目的が強い場合は、治療に必要な動きが大きくなることが多く、時間がかかりやすい傾向があります。

これは「抜歯か非抜歯か」で単純に決まるものではありません。抜歯をしても前歯をしっかり下げる設計なら時間がかかりやすいですし、非抜歯でも奥歯を後ろへ動かすなど、工程が増えるとやはり期間が伸びやすくなります。つまり、ポイントは「前歯をどれだけ下げる必要があるか」「そのためにどんな動きが必要か」です。

早く終えたい気持ちがある方ほど、ここは最初に確認しておくと安心です。ゴールがはっきりすると、「どこを優先して進めるか」「どこに時間がかかりやすいか」も整理しやすくなりますし、途中で焦りにくくなります。

歯が動きやすい人の特徴について

「歯が動きやすい人」と聞くと、生まれつきの体質の差を想像する方が多いかもしれません。もちろん、年齢や骨の状態など、変えにくい要素が影響する場面もあります。ただ実際には、それ以上に「口の中の環境」や「生活の条件」のほうが、治療の進み方に関わっていると感じることが少なくありません。

言い換えると、歯列矯正がスムーズに進む人には「もともと恵まれている」というより、「進みやすい条件が揃っている」ケースが多いのです。そしてその条件の一部は、意識次第で整えられることもあります。

ここでは、「自分はどうだろう」と判断しやすいように、歯が動きやすい人に共通しやすい特徴を説明します。

歯ぐきが腫れにくく、口の中が安定している

歯列矯正は、歯に力をかけて少しずつ位置を変えていく治療です。そのため、口の中の状態が安定しているほど、治療も安定して進みやすくなります。たとえば歯ぐきが腫れていたり、出血しやすかったりすると、歯みがきがつらくなり、清掃が行き届きにくくなります。すると、むし歯や歯肉炎などのトラブルが起きやすくなり、結果として治療計画の調整が必要になることがあります。

これは「矯正ができない」という意味ではありません。むしろ、矯正を安全に進めるために、先に口の中を整えることは珍しくありません。歯ぐきの炎症を落ち着かせたり、気になるむし歯を治療したりしてから矯正に入ると、途中で中断しにくくなり、結果として遠回りを減らしやすくなります。

「歯が動きやすい」というより、「治療が止まりにくい状態を作れている」と考えるほうが、分かりやすいかもしれません。

装置のリズムを崩しにくい生活習慣がある

歯列矯正が予定通りに進みやすい人は、装置のリズムが安定していることが多いです。ここで言う「リズム」とは、毎日の装着が極端に途切れない、外す回数が増え過ぎない、といった意味です。

先にも触れましたが、装着時間は確保できていても、外す回数が多いと細かな調整が進みにくいことがあります。つまり、装置を外す場面が多くなりやすい生活だと、どうしても治療が不安定になりやすいのです。たとえば、間食の回数が多い方、外食が多くて食事の回数や時間が日によって大きく変わる方、甘い飲み物をちょこちょこ飲む習慣がある方などは、気づかないうちに「外す回数」が増えがちです。

もちろん、生活をすべて変える必要はありません。ただ、「外す回数が増えやすい場面」を先に知っておくだけでも、工夫の余地が見えてきます。結果として、歯が動きやすい条件に近づけることができる場合があります。

噛みしめが強い人は、動きにくく感じることがある

全員に当てはまる話ではありませんが、噛みしめや食いしばりが強い方の中には、「なぜか動きが遅い気がする」と感じる方がいます。噛みしめが強いかどうかは、日常の自覚だけでなく、歯のすり減り方や、横顔でエラのあたりが発達して見えるといった所見から推測できることもあります。

ただし、ここは非常に個人差があります。噛みしめが強いからといって必ず動きにくいわけではありませんし、逆に自覚がなくても強い方もいます。大切なのは「自分はそうかもしれない」と感じたときに、遠慮なく相談できることです。食いしばりがある場合、装置の使い方やケアの工夫で負担を減らせることもありますし、治療を進める上での注意点を事前に共有できるだけでも、結果としてスムーズにつながりやすくなります。

歯が動く仕組みを知ると「早い・遅い」の不安が軽くなる

矯正中の患者様からよく聞くのが、「本当に動いているのか分からない」「自分だけ遅いのでは」という不安です。とくに治療を始めたばかりの時期や、見た目の変化が出にくい段階では、どうしても焦りが出やすくなります。

ただ、歯列矯正は「目に見える変化」と「治療が進んでいること」が必ずしも一致しません。仕組みを少し知っておくだけで、「今はそういう段階なのか」と落ち着いて受け止めやすくなりますし、日々の装着がなぜ大切なのかも腑に落ちやすくなります。

ここでは歯が動く仕組みを簡単に説明します。

歯は骨の作り替えに合わせて、少しずつ位置が変わっていく

歯列矯正は、歯をぐいっと一気に動かす治療ではありません。歯にやさしい力をかけ続けることで、歯の周りの骨が少しずつ作り替えられ、その変化に合わせて歯の位置が変わっていく治療です。この「少しずつ」という点が、最初に不安になりやすいポイントでもあります。昨日と今日で劇的に見た目が変わることは少なく、変化が分かりにくい時期があるのは自然なことです。

また、歯の動き方は「動く距離」だけでなく、「ねじれを取る」「高さをそろえる」「噛み合わせを合わせる」といった細かい調整の積み重ねで進みます。目立つ変化が見えなくても、噛み合わせの準備や、次の動きのための土台作りが進んでいることは珍しくありません。

だからこそ、途中で「変化がない」と感じたときも、すぐに「失敗かも」と決めつける必要はありません。分からないことがあれば、遠慮なく相談して確認することが大切です。

だからこそ「毎日つけ続ける」「ムラを減らす」が効いてくる

歯が少しずつ動く治療だからこそ、毎日の装着が途切れずに続くほど、治療は安定しやすくなります。たとえば、装着時間が足りない日が続くと、歯にかかる力が十分に伝わりにくくなり、計画通りの動きが出にくく感じることがあります。さらに、装着時間は足りていても、こまめに外す回数が多いと、力が安定しにくいことがある、という話につながります。

ここで大事なのは「完璧にやらないと意味がない」という考え方ではありません。現実には、どうしても外さざるを得ない日もありますし、忙しい日が続くこともあります。ただ、歯列矯正は「続くほど有利になりやすい」治療です。無理のない範囲で日々継続していくと、結果として微調整が減り、思っている以上に短期間で矯正を終えられる可能性があります。

「歯が動いていない気がする」よくある理由

矯正中に「思ったより動かない」「変化が見えない」と感じることは、珍しくありません。特に、周りから見て分かりやすい変化が出る前の時期や、最後の微調整の段階では、どうしても不安になりやすいものです。

ただ、その不安があるからといって、すぐに「自分は歯が動かない体質だ」と決めつける必要はありません。実際には、よくある理由がいくつかあり、順番に確認していくことでわかることも多いです。

「装着が安定していない」または「難しい動きが必要」

まず多いのは、装着が安定しきれていないケースです。本人としては「ちゃんと着けているつもり」でも、生活の中で外す回数が増えていたり、着ける時間が日によって大きく揺れていたりすると、歯にかかる力が安定しにくくなります。特にマウスピースは、毎日コツコツ続くことで力が安定しやすい装置です。逆に、外す回数が多くて装着が細切れになると、歯の動きが揃いにくく、結果として「進んでいない気がする」感覚につながることがあります。

もう一つは、治療で必要な動き自体が難しいケースです。たとえば、歯のねじれをきれいに取る調整や、歯を根っこごとしっかり動かす動き、噛み合わせを細かく合わせる調整などは、どうしても時間がかかりやすい傾向があります。

見た目の変化が出にくい時期があっても、治療が止まっているわけではなく「難しいところを丁寧に整えている途中」という場合もあります。ここを知らないと、「自分だけ遅い」と感じてしまいやすいので、まずは落ち着いて状況を整理することが大切です。

むし歯や歯ぐきのトラブルがあると、遠回りになりやすい

次に、口の中のトラブルが影響しているケースです。むし歯や歯ぐきの炎症があると、治療そのものを止める必要が出たり、進め方を調整したりすることがあります。矯正は「動かす治療」ですが、口の中の状態が荒れていると、そちらを先に整えた方が安全なこともあります。結果として、予定していた動きが一時的に進みにくく感じたり、通院の中で調整が増えたりすることがあります。

ここは患者様にとって「自分のせいかも」と不安になりやすい部分ですが、そうではありません。矯正中はどうしても清掃が難しくなる場面があるので、むし歯や歯ぐきのトラブルが出ること自体は珍しくありません。大切なのは、早めに気づいて早めに対応することです。トラブルを小さいうちに解決できれば、結果的に治療が長引くことを防げます。

特定の歯だけ動かないケース

「全体的には進んでいるのに、この歯だけ動かない気がする」という場合、例外的な原因が関係していることもあります。その一つが、アンキローシスと呼ばれる状態です。

難しい言葉ですが、簡単に言うと、歯の根っこと骨が強く結びついていて、矯正の力がかかっても動きにくいことがある状態です。

もちろん、「動きにくい=絶対にアンキローシス」というわけではなく、多くの場合は、装着時間のばらつきや歯の動きの難しさなど、もっと一般的な理由で説明できます。ただ、もし特定の歯だけ明らかに反応が違うように感じる場合は、もしかするとアンキローシスが関係しているかもしれません。

アンキローシスは「検査」と「治療の進み方」で判断する

アンキローシスかどうかは、患者様が自己判断できるものではありません。レントゲンや必要に応じて追加の検査を行い、治療の進み方も含めて総合的に判断します。もしこうした可能性が早い段階で見えてくれば、その歯に合わせて治療計画を調整しやすくなります。「気になることは早めに伝える」だけでも、結果として治療の遅れを減らすことにつながる場合があります。

服薬や生活習慣が関係することも

もう一つ、見落としやすいのが服薬や生活習慣の影響です。薬の種類や体の状態によっては、治療の進み方に影響が出る可能性が指摘されることもあります。だからこそ、何か薬を飲んでいる場合や、喫煙の習慣がある場合、痛み止めを頻繁に使うことがある場合などは、最初に担当の歯科医師に相談しておくことをおすすめします。

これは、治療ができないという話ではなく、より安全に、より確実に治療を進めるために必要なことです。遠慮せずに伝えていただけるほど、無理のない計画を立てやすくなりますし、途中での調整もしやすくなります。

矯正を早く終えたい人が今日からできること

「できるだけ早く終えたい」と思ったとき、つい「もっと強く押したほうがいいのか」「交換を早めればいいのか」と考えてしまう方もいます。けれど、歯列矯正で大切なので、自己流で無理をすることではありません。矯正は、少しずつ整えていく治療だからこそ、途中でズレが出ると、その修正に時間がかかりやすくなります。逆に言えば、ズレが小さいまま進められる人ほど、計画通りに進みやすく、結果として早く終わりやすい、という考え方ができます。

ここでは、患者様が実行しやすい形で、「今日からできるコツ」をまとめます。完璧を目指す必要はありません。できる範囲で取り入れて、治療を安定させていくことが大切です。

装着を安定させるために「外す回数」を減らす工夫をする

先でも触れましたが、装着時間だけでなく「外す回数」が増えると、歯にかかる力が安定しにくくなることがあります。特にマウスピース矯正では、装着が細切れになるほど「着けているのに進みが悪い気がする」という状態になりやすいことがあります。
だからこそ、早く終えたい人ほど、まず取り組みやすいのが「外す回数を減らす工夫」です。

例えば、間食が多い方は、完全にやめる必要はありませんが「回数を少し減らす」「食べる時間をまとめる」だけでも効果的です。仕事中にだらだら食べてしまうタイプの方なら、最初から「この時間は食べる、ここからは食べない」と区切りを作るだけで、外す回数が減っていきます。また、甘い飲み物やミルク入りのコーヒーなど、マウスピースを外したくなる飲み物が多い方は、飲み方を工夫するだけでも装着の安定につながります。「外す回数が増える原因」を先に把握しておくと、無理なく続けやすくなります。

大切なのは、「時間を増やす」ことよりも「安定させる」ことです。装着のムラが減ると、最後の細かい調整でつまずきにくくなり、結果として遠回りが減りやすくなります。

ゴムかけは「日々続ける仕組み」を先に作る

ゴムかけは、必要な人にとっては噛み合わせを整えるうえで大切な工程になります。ただ、ゴムかけは意識しないと忘れやすいですし、忙しい日が続くと途切れがちです。

なので、毎日同じタイミングで装着するようなルーティーンを作りましょう。「夜の歯みがき後に必ず」「お風呂のあとに必ず」など、生活の中の行動とセットにすると、忘れにくくなります。ゴムの置き場所も意外と大切です。洗面所、寝室、バッグの中など、使う場所に複数置いておくと「ないから今日はやめた」となりにくいです。仕事や学校で外出が多い人ほど、予備を持ち歩くだけでうまくいきます。

そしてもう一つ大切なのが、できなかった日があったときの考え方です。「昨日できなかったからもうダメ」と思う必要はありません。矯正は長い治療だからこそ、完璧よりも日々の立て直しの早さが大切です。もしゴムかけがうまく続かないと感じるなら、気軽に担当医に相談してください。やり方の工夫や、生活に合った提案ができることもありますし、早めに共有できるほど調整もしやすくなります。

気になるズレや違和感は、先送りせず早めに相談する

「マウスピースが少し浮いている気がする」「当たり方がいつもと違う」「痛みが強い気がする」など、違和感があるのに我慢してしまう方は少なくありません。けれど、早く終えたい方ほど意識してほしいのは、こうしたサインを見逃さないことです。矯正は、ズレが小さいうちなら修正もしやすい一方、ズレが大きくなってから立て直そうとすると、そこに時間がかかりやすくなります。つまり、早めの相談は「治療の邪魔」ではなく、むしろ「遠回りを減らす行動」です。

「こんなことで連絡していいのかな」と遠慮する必要はありません。患者様が気づいた時点で共有できるほど、こちらも状況を把握しやすく、必要な調整を早めに行いやすくなります。結果として、治療が安定して進みやすくなります。

相談の目安「浮きが続く、痛みが強い、装置が当たる、破損した」

迷ったときの目安としては、装置の浮きが数日続く、痛みが強くて噛めない、装置が当たって口の中が傷つく、装置が割れた・変形した、といった場合は、早めに相談するのがおすすめです。また、「装着はしているのに合っていない感じがする」「左右どちらかだけ当たりが強い」といった違和感も、我慢し続けるより、早めに伝えていただいた方が安心です。

大事なのは、自己流で装置を削ったり、無理に押し込んだりして解決しようとしないことです。焦るほど自己判断で動きたくなりますが、そこが遠回りの原因になってしまうことがあります。気になることが出た時点で相談する。その一手が、スムーズに矯正治療を進めるためのポイントなのです。

現実的な治療期間の見通しを持つと安心です

歯列矯正を始める前に、ほとんどの方が気にするのが治療期間です。

「何年くらいかかるのか」「大きなライフイベントに間に合うのか」「思ったより長引いたらどうしよう」と、不安になるのは当然だと思います。そして、できれば歯科医師に「最短で終わらせる」と言ってほしい気持ちも理解できます。

けれど、矯正治療は、最初の時点で分かることと、進めながら見えてくることの両方があります。だからこそ、「この日までに必ず終わります」と言い切るよりも、現実的な見通しを持ったほうが、途中で焦りにくく、続けやすくなります。

期間は幅をもって考えたほうが、途中で不安になりにくい

矯正の進み方には個人差があります。同じように見える歯並びでも、必要な歯の動きが違えばかかる時間も違いますし、途中で「ここは丁寧に整えたほうがよい」というポイントが出てくることもあります。また、見た目が整ってきても、噛み合わせの微調整に時間が必要な場合があります。特に最後の段階は、本人からすると「もうほとんど並んでいるのに、なぜ終わらないのだろう」と感じやすい時期です。けれど、噛み合わせが安定していない状態で終えてしまうと、後戻りのリスクが上がったり、違和感が残ったりしやすくなります。

こうした事情があるため、治療期間は「このくらいで終わるはず」と一つの数字だけを握るよりも、「だいたいこのあたり」「順調ならここまで早くなることもある」「調整が必要なら少し伸びることもある」と、幅をもって捉えたほうが気持ちが楽になります。

大事な予定がある人は、早めに伝えると相談できることがある

結婚式、就職、留学、卒業式など、「この時期までにできるだけ整えたい」という予定がある方もいらっしゃると思います。その場合は、遠慮せずにはじめに伝えてください。早めにタイムリミットを共有できれば、治療の優先順位を整理したり、治療計画の立て方を工夫したりできることがあります。たとえば、「見た目を先に整えることを優先して、噛み合わせの仕上げは次の段階で丁寧に行う」など、目的に合わせた進め方を相談できる場合があります。

ただし、ここで大切なのは「無理に急がない」ことです。歯列矯正は、無理にスピードを上げれば必ず良い結果になる治療ではありません。急ぎたい事情があるほど、早めに相談した上で「安全な範囲でできること」を一緒に考える、という姿勢が必要です。

もし「間に合うか不安」「どこまで整えられそうか知りたい」という場合は、まずは現状を診断して、現実的な見通しを一緒に確認するところから始めましょう。例えば当院では、「噛み合わせを含めた矯正治療が完全に終わるのは2年くらいかかると思うけれど、10ヶ月くらいで見た目はほぼ完璧になりますよ」といった、見た目が整うまでの期間と、矯正が完全に終わる期間を別個に考えてお話しすることも可能です。

まとめ:歯の動きは取り組み方によって変わります

歯列矯正が早く終わりやすいかどうかは、「歯が動きやすい体質か」で決まるものではありません。実際には、装置の使い方が安定しているか、ゴムかけが必要な場面で無理なく続けられるか、そして治療で必要な動きがどれくらい難しいか。こうした条件が噛み合うことで、治療はスムーズに進みやすくなります。

そして大切なのは、これらの条件の一部は「後から整えられる」ということです。たとえば、装着時間を確保するだけでなく外す回数を減らす工夫をする、ゴムかけを続けるための仕組みを作る、ズレや違和感を先送りせずに早めに相談する。こうした小さな積み重ねが、結果として遠回りを減らし、治療期間を短く感じさせてくれることがあります。

もし今、次のような気持ちが少しでもあるなら、一度当院の無料カウンセリングでご相談ください。

「できれば矯正治療を早く終えたいが、何を優先すべきか分からない」
「頑張ってマウスピースをつけても歯の動きが遅かったらどうしよう」
「前歯を下げたいが、どれくらい期間がかかるか知りたい」
「ゴムかけが必要と言われたが、続けられるか不安」

無料カウンセリングでは、あなたの歯並びと噛み合わせを拝見しながら、治療で必要な動きの難易度、期間の見通しなどを、できるだけ分かりやすくお伝えします。カウンセリングは無理に治療をすすめるためではなく、「あなたが納得して矯正を始められる状態」を作るための時間です。まずはお気軽にご相談ください。