歯を長持ちさせるために大切なこととは!?

歯を長持ちさせるために

生涯自分の歯で美味しいものを食べて、健康に元気で過ごしたい。誰しもそう思う方も多いのではないでしょうか?

現在、8020運動(80歳になっても20本自分の歯を残す運動)の達成率は約50%を超えています。東広島市西条中央にあるのざき歯科医院でも1人でも多くの方に8020を達成して欲しいと考え、日々診療を行っています。

歯を失う原因とその原因を踏まえ歯科医師からみた歯を長持ちさせるために大切なことについて説明したいと思います。

歯を失う原因とは

2005年8020推進財団調査によると

1位歯周病 41.8%
2位虫歯 32.4%
3位歯の破折 11.4%
となっています。

1位の歯周病と虫歯は細菌感染症が原因で起こり、3位の歯の破折は目に見えない力によるストレスが原因で起こります。

すなわち結論からいうと歯を長く持たせることに大切なことは細菌による炎症と力による炎症のコントロールをすることです。

歯を失う原因1位 歯周病とは

歯周病とは歯を支えている骨や歯茎の病気で、歯が健康でもかかる病気です。
歯周病なんて自分には関係ない。そう思う方も多いかもしれません。

しかしながら、実は成人の80%以上が歯周病に感染していると言われており、気付きにくい病気だと言われています。

こんな症状はありませんか?

  • 歯磨きをすると出血する
  • 歯茎が腫れる
  • 口臭が気になる
  • 歯がグラグラする

この状態に気づかず、放っておくと下記のように最終的には歯が抜けてしまいます。

歯周病

歯茎が赤く腫れる

少しずつ歯石がつく

少しずつ歯を支えている骨が溶ける

最終的には歯が抜ける

歯周病がおそろしいのは、痛みがなく進行する気付きにくい病気だということです。
自覚症状が出てしまった時には手遅れになっていることも少なくありません。

歯周病と全身疾患との関連について

また歯周病はお口の中だけでなく、全身の様々なところに影響を及ぼすことがわかっています。

・糖尿病

糖尿病と歯周病は相互に悪影響を与える。免疫力が低下し、歯周病が進行しやすくなり、歯周病がひどくなると炎症によって出る物質がインスリンの働きを弱め、糖尿病の状態を悪化することもあると言われています。

・心筋梗塞などの心臓病

歯周病と心臓病

硬くなった血管に歯周病菌が付着することにより、血管を詰まらせやすくなってしまいます。

早産・低体重児出産

歯周病の炎症で出る物質が胎盤に影響を与え、子宮の収縮に関与することで早産のリスクが高くなります。

そのほか胎児期に気をつけることを書いていますので、よければ参考にしてください。

お子様のお口を健やかに成長させる為に〜胎児期に気をつけることとは〜

誤嚥性肺炎

食べ物や唾液を肺や気管に誤嚥してしまうことで起こる肺炎。歯周病菌が原因の1つだと考えられています。
他にもアルツハイマー病や関節リウマチなどに関与するとも言われています。

歯周病を治療することで全身の健康にもつながります
まずは歯科医院で歯周病かどうかを確認することが大切です。

歯周病の検査と原因について

歯周病かどうかの検査は下記の器具を用いて

歯周検査
  • 歯周ポケットの深さ
  • 出血がないか
  • 歯が揺れていないか

などを確認します。

歯周ポケットの深さが4mm以上なら歯周病が進行しており、6mm以上であれば重度歯周病の可能性があります。

また検査時に歯周ポケットから出血がある場合、ポケットが浅くても歯周病菌が活動しているので、安心してはダメということになります。

一度溶けてしまった骨はなかなか元には戻りません。今の状態で食い止める為の治療が必要になります。

歯周病の1番の原因は歯と歯茎のキワにプラーク(歯垢)がつくことだと言われています。

歯周病菌

プラーク1mg中に10億個以上の細菌がいると言われています。

そしてプラークをほうっておくと歯石になります。

歯石になると

歯と歯茎の境目に炎症を起こす

歯石を住処に細菌が増えバイオフィルムになり、毒素を出して骨を溶かします

こうして歯周病は進行していきます。

また歯周病を進行させる原因はプラークだけではありません。

お口の中の原因として

歯ぎしり

・歯並び

・歯ぎしり・食いしばり

・歯の形

・舌の癖や呼吸の仕方

体質・生活習慣の原因として

喫煙と歯周病
  • 喫煙
  • ストレス
  • 食習慣
  • 糖尿病

などがあると言われています。

当てはまることが多いほど進行しやすくなります。

歯周病の治療について

PMTC

歯周病の基本治療は、プラーク・歯石の除去になります。状態によって治療期間は違いますが、出血がなく、歯周ポケットが4mm未満が目標になります。

歯周病を治すには歯科医院に通院していただくことも大切ですが、実はそれだけでは治りません。

ご自身で行うセルフケアが非常に大切になります。

セルフケア

それに加え、歯周病改善のために生活習慣を見直すことも効果的です。

喫煙とデメリット
  • 禁煙しよう
    どんなにプラークコントロールが良くても喫煙によって歯周病の治りが悪くなります。
  • 食いしばりを治そう
    食いしばりを自覚し、日中は上の歯と下の歯が当たらないように意識して、必要な場合は就寝児のマウスピースを検討しましょう
  • 食習慣を見直そう
    栄養バランスの良い食事を摂ることで免疫力が上がります。まずは糖分控えめな食事を。
  • しっかり睡眠
    質の良い睡眠は免疫力が上がります。お風呂やストレッチが効果的だと言われています。

歯周病治療が終わったらどうするの?

歯周病治療のゴールは、メインテナンス(定期検診)のスタートだと考えています。

メインテナンスに終わりはなく続けていただくことが大切になります。

なぜなら歯周病は完治しないからです。

せっかく治療をして良くなっても、このまま数ヶ月放っておいたり、免疫力が下がると細菌数が増えて歯周病が再発・悪化してしまいます。

そうならないよう定期的なメインテナンスでお口の中の細菌数を減らすことが大切です。これはもちろん虫歯予防にもなります。

一生自分の歯で食べる秘訣としては
『歯科医院でのメインテナンスと自宅ケアを習慣にすること』です。

歯を失う原因2位 虫歯で歯を失わないために

様々な大切なことがありますが、虫歯菌の量は3歳までに決まると言われているので、それまでに虫歯菌に感染させないことが一番重要になります。

それに加えて歯周病の場合と同じように『歯科医院でのメインテナンスと自宅ケアを習慣にすること』が大切になります。 下記記事を参考にしてください

こどもを虫歯にさせない3つの対策とは!?

歯を長持ちさせるための力のコントロールについて

歯を長持ちさせるために大切なことは上記の細菌のコントロールに加えて力のコントロールが大切になります。

実はお口の中には目に見えない力によるストレスがたくさんかかっています。無意識に食いしばる傾向が歯・筋肉・顎に負担がかかると言われており、下記のような症状を引き起こすと言われています。

筋肉…欠航が悪くなり咀嚼筋・表情筋が痛くなり 頭痛を引き起こす

顎…口を開けると顎にクリック音がする。顎関節に痛みが出る。口が開かない

日中くしばっているようであれば食いしばらないよう気をつけ、また夜間食いしばりや歯ぎしりをしているようであればマウスピース(ナイトガード)の装着が必須となります。

また上記には歯並びの関与もあると言われています。

よく靴に例えるのですが、歯並びの良い人は噛み合わせが全体的に接触しているので、運動靴を履いているような状態です。

反対に歯並びが悪く奥歯で当たってないような人はハイヒールを履いた状態だと考えています。

ハイヒールは安定が悪く、足が疲れやすかったり、転びやすかったりすると思います。

口腔内も同じです。噛み合わせが悪いと顎や筋肉に症状が出たり、過度な負担がかかってしまうので、歯が折れたり、早期に喪失してしまうリスクが高くなってしまいます。

それに対し運動靴は安定がよく転ぶリスクも低いので、歯並びが良いと歯が長持ちする可能性が非常に高くなります。

実はそのことをよく表した論文があるので、ご紹介します。

歯並びが悪いと、歯が残らない!?

8020達成率と歯並びの関係を調べた論文なのですが、全体の8020の達成率は38%なのに対し、正常な歯並び・噛み合わせの方の場合、達成率は82%もあります。

反対に歯並びが悪いと下記のように明らかに達成率が悪くなることがわかっています。

開咬 0%

反対咬合 0%

過蓋咬合 13.5%

上顎前突 15.4%

叢生 0%〜28.8%

すきっ歯 5%

1人でも多くの人が8020を達成し、生涯元気に健康で過ごして欲しい。そのため東広島市西条中央にある歯医者のざき歯科医院では、歯並びの矯正治療・こどもの予防矯正に力を入れて取り組んでいます。

詳しくは矯正専門サイト

まとめ 歯を長持ちさせるために大切なこととは!? |東広島市のざき歯科医院

1歯を失う原因は歯周病、虫歯、歯の破折が3大原因

1位の歯周病と虫歯は細菌感染症が原因で起こり、3位の歯の破折は目に見えない力によるストレスが原因で起こる。

歯を長く持たせることに大切なことは細菌による炎症のコントロールと力による炎症のコントロールをすること。

細菌による炎症のコントロールをする=虫歯歯周病にならないためには『歯科医院でのメインテナンスと自宅ケアを習慣にすること』が大切。禁煙や食生活の見直しも重要です。

4力による炎症のコントロールのためには、夜間食いしばりや歯ぎしりがあるようであれば夜間のマウスピースの装着は必須。

悪い歯並びは歯の喪失のリスクが高くなってしまうので、可能であれば歯列矯正が望ましい。

今歯を長持ちさせたい、生涯自分の歯で美味しいものを食べて、健康に元気で過ごしたいと思われている方はぜひこの記事を参考にして頂ければ幸いです。お近くの方はぜひ当院へお気軽にご相談ください。

1人でも多くの方が生涯ご自身の歯でしっかり噛むことができ、健康で過ごすことができるようサポート致します。

関連記事

関連記事が見つかりませんでした。