80歳で20本以上の歯を残し、健康長寿を全うする。日本歯科医師会と厚生労働省はこれまで『8020運動』を積極的に推進してきました。
しかし、お口の中の健康は一朝一夕でできるものではありません。
8020運動を達成するための土台はいつできるのでしょうか?
実は80歳になるよりも遥かに前の小児期に8020を達成するための土台は作られています。
そこで生涯にわたってお口の健康を維持する為にまずは『30(サンゼロ)』を目指すことを目標にします。すなわち、乳歯20本が萌出する3歳までにいい噛み方をしっかり身につけ、虫歯をゼロを目指す!
その為にはこどもたちの発達段階に合わせた適切な取り組みが必要だと考えています。
『30』を達成することはこどもの将来の健康や充実した人生につながると考え、
東広島市西条中央にあるのざき歯科医院では『30』達成に全力で取り組んでいます。
今回は胎児期、すなわちお子様がお腹にいるとき気をつけるべきことを歯科医師の目線から解説したいと思います。
胎児期のママの様子
胎児期においてはママの食事と周囲の環境がとても大切になります。ママのからだがどんなものを食べているか、どのような環境で過ごしているかが、産まれてくるくるお子様にも影響してきます。
妊娠中はつわりなどで栄養管理が難しかったり、女性ホルモンの増加の影響で、歯周病菌は増え、歯肉に炎症が起こりやすくなってしまいます。妊娠期はママのお口の中のトラブルが起こりやすくなる時期なので、特に注意が必要です。
胎児期における理想像とは
産まれてくるお子様を元気に育てて『30』を目指す!
そのために大切なことは何でしょうか?
お腹の中のお子様のために必要な栄養素をしっかり取っておくこと、ママの生活習慣を整えること、そしてママのお口の中の細菌数を減らしておくことが重要です。
虫歯や歯周病菌は親子間で感染してしまうため、出産前に治しておくのが望ましいです。できればママだけでなくパパも治しておくことが重要になります。
お子様が産まれて3歳までの間に虫歯菌に感染していなければ、その後虫歯になるリスクは低くなり、一生虫歯になりにくいと言われています。
また3歳までにお子様のお口の機能の基礎が完成します。三つ子の魂百までという言葉があるように、この3年間で正しい機能の獲得ができないと一生つきまとう不健康につながる悪い癖を身につけてしまうことになります。
そうならないためにもお子様がお腹にいる時期、胎児期の理想像を確認し、目指しましょう!
胎児期においての理想像とは
- ママが産まれてきたお子様のために知っておくべきことを理解している
- ママが歯周病や虫歯になっていない
- ママが甘味習慣などを気をつけるようにする
- ママが規則正しい生活リズムの中で母体栄養が十分な食生活を送っている
の4点になります。
それぞれについてみていきたいと思います。
ママが産まれてきたお子様のために知っておくべきことを理解している
お子様のお口の機能は、3歳までに基本的なことが全て獲得されると言われています。この3年間で身につけた癖は一生つきまとってしまいますので、この3年間に異常な癖を身につけさせないための正しい知識は、出産前に知っておいてほしいと考えています。
出産後、まず大切になるのが哺乳です。
理想的な授乳とは
哺乳期では母乳を吸う動きが顎の成長を促します。そのため、母乳で育てることが大事であると同時に、ママの母乳のための栄養の摂取が大切になります。
母乳をあげるときに浅飲みにならないよう注意が必要です。
深飲みをすることで乳首を介して口蓋の成長につながると言われているからです。
また人工ミルクをあげる際には哺乳瓶の選択には注意を払う必要があります。
哺乳瓶の乳首の穴にはサイズがあります。主にSS,S,M,Lなどです。乳児は哺乳瓶の栄養分を吸引によって摂取します。この吸引が口腔機能のトレーニングとなり、成長過程において大切になります。
最も大きなサイズのL穴では吸引力をほとんど必要しないため、舌はゆらゆら動いているだけで、口腔機能に対するトレーニングとして効果がありません。
哺乳時間は15分程度が適当と言われています。
我が子を早く成長させたいという願いから、栄養分を速やかに摂取するようにという気持ちで大きな穴にする方が多いのですが、その焦りはお子様の成長には逆効果になることがあります。
人工ミルクを哺乳瓶であげる場合は、ママの乳首と同じようにしっかり吸わないとミルクが出てこないような人工乳首を使って、ママの母乳を吸うときと同じ顎の動きを赤ちゃんの口ができるようにするのが大切です。
また母乳・ミルクをあげるときにお子様とのコミュニケーションをはかることで情緒、言葉の発達、食事への肯定的な気持ちを育てることができます。
ママが歯周病や虫歯になっていない
歯周病や虫歯にかかったまま出産の時期を迎えると、早産や産まれてくる赤ちゃんが低体重になるリスクが高くなってしまいます。
歯科医院で専門の衛生士による定期的なメインテナンスを受け、虫歯や歯周病に罹患していない状態が望ましいです。
虫歯や歯周病に罹患していたとしても妊娠されるまでの間もしくは遅くとも安定期までの間に虫歯や歯科医院で治療しておくことが望ましいと考えています。
ママが甘味習慣などを気をつけるようにする
妊娠中はホルモンバランスの変化や食事内容や間食内容が変化し、口腔内が虫歯と歯周病になりやすくなると言われています。
間食が増えてしまう時期ですが、内容に注意しましょう。
ママが規則正しい生活リズム・母体栄養が十分な食生活を送る
規則正しい生活リズム、特に食生活のリズムがお腹のお子様には大切です。なぜならお子様の体内時計のリズムはママの食生活のリズムにより変化すると言われているからです。
規則正しく3食を食べるようにすることが一番大切です。その上でお子様の骨の形成や母乳育児において重要な栄養素となる鉄分の摂取を心がけること、その他の栄養素もバランスよく摂取することも大切になります。
まとめ−お子様のお口を健やかに成長させる為に〜胎児期に気をつけることとは〜|東広島市のざき歯科医院
①ママが産まれてきたお子様のために知っておくべきことを理解している
母乳をあげる時は浅飲みにならないよう注意しましょう!
また人工ミルクをあげる際には哺乳瓶の選択に注意しましょう!
すなわち人工ミルクを哺乳瓶であげる場合は、ママの乳首と同じようにしっかり吸わないとミルクが出てこないような人工乳首を使って、ママの母乳を吸うときと同じ顎の動きを赤ちゃんの口ができるようにするのが大切です。
②ママが歯周病や虫歯になっていない
歯科医院での治療や専門の衛生士による定期的なメインテナンスを受け、虫歯や歯周病に罹患していない状態にしましょう!
③ママが甘味習慣などを気をつけるようにする
食事内容や間食内容には細心の注意を払いましょう!
④ママが規則正しい生活リズムの中で母体栄養が十分な食生活を送っている
規則正しく3食を食べるようにすることが一番大切です。その上でお子様の骨の形成や母乳育児において重要な栄養素となる鉄分の摂取を心がけること、その他の栄養素もバランスよく摂取するようにしましょう!
今ご妊娠中でお子様のお口を健やかに成長させたいと考えている方は、ぜひこの記事を参考にして頂ければ幸いです。お近くの場合はぜひ当院へお気軽にご相談ください。
1人でも多くのお子様が3歳までにいい噛み方をしっかり身につけ、虫歯をゼロ・いい歯並びを獲得できるようサポート致します。