「マウスピース矯正をしている間も、歯を白くできるのだろうか」
「アタッチメントが付いていると、そこだけ色ムラになったりしないか心配」
「ホワイトニングは矯正の前と後、どちらから始めればいいのだろう」
歯並びを整える矯正治療を始めると、「どうせなら歯の色も白くしたい」と感じる方は少なくありません。マウスピース矯正であれば、矯正中でもホワイトニングを並行して進めることができます。ただし、歯に付ける小さな突起(アタッチメント)の部分は白くなりにくいことがあり、歯を動かしている時期はしみやすく感じる方もいるため、始めるタイミングと進め方を矯正の計画に合わせて考えることが大切です。
本記事では、「矯正中にホワイトニングはできるのか」「ホワイトニングの種類」「矯正前・矯正中・矯正後のどのタイミングで始めるか」「アタッチメントの色ムラやしみる症状への対処」「費用」について、当院の症例写真も交えながら、インビザライン社公認講師(アラインエデュケーター)である副院長・野崎雄介がわかりやすくご説明いたします。歯並びと歯の白さの両方を整えたい方の参考になれば幸いです。
矯正中のホワイトニングはできる?マウスピース矯正なら治療と並行して歯を白くすることが可能

マウスピース矯正であれば、矯正中でもホワイトニングを並行して進めることができます。一方、歯の表面に装置を付ける表側のワイヤー矯正では、装置の下が白くなりにくいため、装置を外してから行うことが多いです。
当院では、成人の矯正の患者様のおよそ2割が、ホワイトニングも一緒に行っています。始める時期はさまざまですが、矯正と並行してホワイトニングを行う方が多いと感じています。最近は「矯正もホワイトニングも一緒にしたい」という方や、「ホワイトニングをきっかけに、歯並びの矯正の話も聞きに来た」という方も増えている印象です。
ここでは、はじめに当院の症例をご紹介し、そのあと矯正の方法ごとの違いをご説明します。
当院の症例:マウスピース矯正の途中から、アタッチメントを付けたまま歯を白くした50代女性
マウスピース矯正の途中から、デュアルホワイトニング(医院で行うホワイトニングと、自宅で行うホワイトニングの併用)の3ヶ月コースを始めた50代女性の症例です。掲載にあたっては、患者様の同意をいただいています。

こちらは、マウスピース矯正を始める前の状態です。
ホワイトニング前


ホワイトニング後(矯正は継続中)



矯正を進めている途中で、ホワイトニングを始めました。この時点で、歯にはマウスピース矯正のためのアタッチメントが付いています。歯の横に並べているのは、歯の色の見本(シェードガイド)で、ホワイトニングの前後で色を比べるために使います。
デュアルホワイトニングの3ヶ月コースを終えたあとの状態です。矯正はまだ続けていますが、アタッチメントが付いた状態のまま、歯の色が明るくなりました。歯並びを整えている途中で、歯の色も同時に変わっていることが分かります。
- 治療内容:デュアルホワイトニング3ヶ月コース(医院でのホワイトニング6回、自宅でのホワイトニング3ヶ月)
- ホワイトニング費用:149,000円(税抜)/163,900円(税込)。
- 主なリスク:施術中や施術後に歯がしみることがあります。白さは時間とともに少しずつ戻ります。
白くなり方は、歯の色や状態によって異なります。どの時期にどのコースで始めるとよいかは、矯正相談の際に歯の色と歯並びを確かめたうえでご提案します。
この方のように、マウスピース矯正の途中でホワイトニングができる理由と、矯正の方法ごとの違いを、次でご説明します。
マウスピース矯正中は、矯正用のマウスピースに薬剤を入れて自宅でホワイトニングできる
前述の症例の方のように、マウスピース矯正中でもホワイトニングができるのは、毎日着けている矯正用のマウスピース(インビザラインのアライナー)を、自宅で行うホワイトニング(ホームホワイトニング)にも使えるためです。当院でも、インビザラインのマウスピースにホワイトニングの薬剤を入れて、自宅でホワイトニングを行っていただいています。
自宅で行うホワイトニングでは、本来、歯の形に合わせたホワイトニング用のマウスピースを作り、その中に薬剤を入れて歯に密着させます。マウスピース矯正の場合は、矯正用のマウスピースがすでに歯の形にぴったり合っているため、矯正用のマウスピースが届いたあとは、そのマウスピースをホワイトニングにも使えます。そのため、ホワイトニングのために新たに型取りをする必要がありません。
使い方も、矯正用のマウスピースに薬剤を入れてから着けるだけです。薬剤を入れる時間は数十秒ほどで、毎日のマウスピースの装着と一緒に進められます。矯正のために毎日マウスピースを着けている方にとっては、生活の流れを大きく変えずに始めやすい方法です。
表側のワイヤー矯正中は、装置の下が白くなりにくいため、装置を外してから行うことが多い
表側のワイヤー矯正では、歯の表面に装置(ブラケット)を接着して、ワイヤーで歯を動かします。装置が歯の表面の一部を覆っているため、ホワイトニングの効果に影響が出ることがあります。
18歳〜40歳の30名を3つのグループに分けたランダム化比較試験では、上の歯の小臼歯と大臼歯に、医院での高濃度のホワイトニング(35%過酸化水素)を行いました。その結果、ワイヤー矯正の装置を付けた状態でホワイトニングをしたグループは、装置を付けずにホワイトニングをしたグループと比べて、白くなる程度が小さかったと報告されています。つまり、装置を付けたままでは、白くなる程度が小さくなることがあるということです。
また、牛の歯を使った実験室の研究では、ブラケットを付けた状態でホワイトニングを行うと、ブラケットの下の部分と、その周りの部分とで色に差が出たと報告されています。実験室の研究なので、口の中で同じことが起きるとは限りません。
こうしたことから、表側のワイヤー矯正では、装置を外してからホワイトニングを行うことが多いです。なお、歯の裏側に装置を付ける裏側のワイヤー矯正では、歯の表面に装置がないため、表側の矯正とは条件が異なります。
矯正中にできるホワイトニングの種類|医院・自宅・併用の違い

歯科医院で行うホワイトニングには、医院で行う「オフィスホワイトニング」、自宅で行う「ホームホワイトニング」、両方を組み合わせる「デュアルホワイトニング」の3つがあります。
ここでは、矯正中に行う場合の違いに絞ってご説明します。ホワイトニングそのものの仕組みや種類の詳しい説明は、以下のコラムをご覧ください。
>>歯医者のホワイトニングの種類や効果について詳しくはこちら
オフィスホワイトニング|医院で行い、短期間で白さを感じやすい
オフィスホワイトニングは、歯科医院で、濃度の高い薬剤を使って行うホワイトニングです。歯の表面に薬剤を塗り、専用のライトを当てて、歯の色を明るくしていきます。1回でも変化を感じやすく、結婚式など予定の日までに白くしたい方にも向いています。一方で、自宅で行うホワイトニングと比べると、白さが戻りやすい傾向があります。
矯正中にオフィスホワイトニングを行う場合は、矯正の通院とは別に、ホワイトニングの予約を取って通っていただく形になります。なお、当院では、土曜日と夕方はオフィスホワイトニングの予約を受け付けていません。平日の日中に通うのが難しい方には、次の自宅で行うホワイトニングもご案内しています。
ホームホワイトニング|矯正用のマウスピースを使って自宅で行う
ホームホワイトニングは、自宅で、医院で行うものより濃度の低い薬剤をマウスピースに入れて行うホワイトニングです。白くなるまでに時間はかかりますが、白さが長持ちしやすいのが特徴です。
前述のとおり、マウスピース矯正中の方は、矯正用のマウスピースをそのまま使えます。通院の回数を増やさずに進められるので、忙しい方や、医院に通う時間を取りにくい方でも始めやすい方法です。
一方で、ホワイトニングを担当する歯科衛生士の実感では、自宅で行うホワイトニングだけでは白くなりにくい方もいらっしゃいます。
平日に医院でのホワイトニングに通うことが難しい方には、自宅で行うホワイトニングに、ホワイトニングペンと専用のライトを組み合わせる方法(Wホームホワイトニング)もあります。ペンとライトは、医院でのホワイトニングに近い効果を目指す商品です。
デュアルホワイトニング|医院と自宅を組み合わせ、当院がおすすめしている方法
デュアルホワイトニングは、医院で行うホワイトニングと、自宅で行うホワイトニングを組み合わせる方法です。2つを組み合わせることで、医院でのホワイトニングの白くなる早さと、自宅でのホワイトニングの白さの続きやすさの両方を目指せます。
当院では、基本的にデュアルホワイトニングをおすすめしています。デュアルホワイトニングであれば、多くの方が白さの変化を実感しやすいためです。
また、最初に3ヶ月ほど集中してデュアルホワイトニングを行うと、歯の色がしっかり明るくなり、白さが戻りにくいとされています。この考え方は、矯正中のホワイトニングの進め方(後述)にもつながっています。
ホワイトニングはいつ始める?矯正前・矯正中・矯正後の3つのタイミング

ホワイトニングは、矯正を始める前・矯正中・矯正後のどの時期からでも始められます。それぞれに利点と注意点があり、当院では、矯正を始める前、アタッチメントが付く前から始めることをおすすめしています。
「ホワイトニングは最初に始めたほうがいいですか?」「矯正が終わってからのほうがいいですか?」というタイミングのご質問は、患者様からよくいただく質問の一つです。ここでは、3つのタイミングの利点と注意点を順にご説明します。

矯正前から始める|アタッチメントが付く前に白くできる
矯正を始める前からホワイトニングを始める方法には、次のような利点があります。
- 歯並びが整うまでには時間がかかりますが、ホワイトニングであれば数ヶ月で笑顔の印象の変化を感じやすく、矯正中も自信を持って過ごしやすくなります
- アタッチメントが付く前に白くしておけるので、アタッチメントの部分だけ色が変わりにくい、ということが起きにくくなります
- 矯正用のマウスピースが届くまでの待ち時間と、アタッチメントがまだ付いていない最初のマウスピースの期間を、ホワイトニングに使えます
- 当院では、矯正とホワイトニングを同時にご契約いただく場合に割引があります
一方で、注意点もあります。歯の重なり(叢生)が大きい方では、ホワイトニングの色ムラが出る可能性があります。また、抜歯を伴う矯正では、抜歯のあとにホワイトニングを休む期間があるため、進め方に注意が必要です。どちらも後ほど詳しくご説明します。
矯正前から始める場合の具体的な進め方は、次の「当院の矯正中のホワイトニングの進め方」でご説明します。
矯正中から始める|治療に慣れてから白くしたくなった方の希望に添える
矯正を始めた時点ではホワイトニングを考えていなかった方でも、矯正が落ち着いてくると「歯並びが整ってきたので、歯の色も白くしたい」と、患者様からお声がけいただくことが多いです。
マウスピース矯正中であれば、矯正の途中からでもホワイトニングを始められます。冒頭でご紹介した50代女性の症例も、矯正の途中から始めた例です。矯正に慣れてから、ご自身のペースで始められることが、この時期から始める利点です。
ただし、矯正中から始める場合には、アタッチメントの部分が白くなりにくく色ムラになる可能性があることや、歯がしみたときに矯正とホワイトニングのどちらが原因かを見分けにくいことに注意が必要です。どちらも後ほど詳しくご説明します。
また、矯正の途中から始める場合は、矯正と同時にご契約いただく場合の割引の対象外となります。
矯正後(保定期間)から始める|色ムラを気にせずホワイトニングに集中できる
矯正が終わり、整えた歯並びを保つための期間(保定期間)に入ってから、ホワイトニングを始める方法です。
矯正中の通院やマウスピースの交換がない状態で、ホワイトニングに集中できるのが利点です。また、アタッチメントを外し、歯の重なりも整ったあとに始めるため、アタッチメントや歯の重なりによる色ムラを気にせずに進められます。
矯正が終わったタイミングで「歯並びがきれいになったので、歯の色も白くしたい」とご希望される方も多いです。
注意点としては、矯正の途中から始める場合と同じく、矯正と同時にご契約いただく場合の割引の対象外となります。
当院の症例:マウスピース矯正のあと、保定期間にデュアルホワイトニングを行った20代男性
マウスピース矯正で歯並びを整えたあと、保定期間に入ってから、デュアルホワイトニングの3ヶ月コース(医院でのホワイトニングと、自宅でのホワイトニングの併用)を行った20代男性の症例です。掲載にあたっては、患者様の同意をいただいています。

矯正を始める前の状態です。出っ歯が気になるとのご相談で、前歯に重なりもありました。
矯正後・ホワイトニング前



ホワイトニング後



マウスピース矯正で歯並びを整えた状態です。前歯の突出感や噛み合わせが改善しました。ここから保定期間に入り、ホワイトニングを始めました。
デュアルホワイトニングの3ヶ月コースを終えたあとの状態です。シェードガイドと比べると、歯の色が明るくなっていることが分かります。
- 治療内容:デュアルホワイトニング3ヶ月コース(医院でのホワイトニング6回、自宅でのホワイトニング3ヶ月)
- ホワイトニングの費用:149,000円(税抜)/163,900円(税込)。
- 主なリスク:矯正:疼痛、咬合痛、歯根吸収、歯肉退縮、歯髄壊死が生じる可能性があります。ホワイトニング:施術中や施術後に歯がしみることがあります。白さは時間とともに少しずつ戻ります
白くなり方は、歯の色や状態によって異なります。どの時期にどのコースで始めるとよいかは、矯正相談の際に歯の色と歯並びを確かめたうえでご提案します。
アタッチメントが付く前から始める、当院の矯正中のホワイトニングの進め方

当院では、矯正を始める前からアタッチメントを付けるまでの期間に、できる限り歯を白くしておき、アタッチメントを付けたあとは自宅で行うホワイトニングで白さを保つ進め方をおすすめしています。アタッチメントが付くまでに、できるだけ白さを引き上げておくことが大切だと考えているためです。
ここでは、はじめに、アタッチメントが付く前の期間を使ってホワイトニングをした当院の症例をご紹介し、そのあと、デュアルホワイトニングの3ヶ月コースを例に、進め方を順にご説明します。

当院の症例:アタッチメントが付く前の期間に、自宅でのホワイトニングを行った20代女性
マウスピース矯正を始めたばかりの、アタッチメントを付ける前の期間(1枚目・2枚目のマウスピースの期間)に、自宅でのホワイトニングを行った20代女性の症例です。現在は、マウスピース矯正を続けています。デュアルホワイトニングのコースではなく、自宅で行うホワイトニングだけの例です。掲載にあたっては、患者様の同意をいただいています。
ホワイトニング前



ホワイトニング後



ホワイトニングを始める前の状態です。歯並びもまだ治療前の状態です。
アタッチメントを付ける前の期間に、自宅でのホワイトニングを行ったあとの状態です。歯並びはまだ治療前とほぼ同じですが、シェードガイドと比べると、歯の色が明るくなっていることが分かります。アタッチメントが付く前の期間を使って、先に歯の色を明るくした例です。
白くなり方は、歯の色や状態によって異なります。どの時期にどのコースで始めるとよいかは、矯正相談の際に歯の色と歯並びを確かめたうえでご提案します。
この方が使った「アタッチメントが付く前の期間」を、当院でどのように組み立てているかを、次から順にご説明します。
インビザラインが届くまでの約7週間に、専用のマウスピースでホワイトニングを始める
マウスピース矯正(インビザライン)では、矯正相談と精密検査のあと、治療計画(クリンチェック)を作り、その計画に合わせてマウスピースを作製します。当院では、治療計画をご説明してから、インビザラインのマウスピースが届くまで約7週間かかります。
その期間を活用するため、当院では、デュアルホワイトニングのコースをご契約いただいた方には、矯正のためにとった歯型(スキャンデータ)をもとに、3Dプリンターでホワイトニング用のマウスピースを作り、ホワイトニングを始められるようにしています。ホワイトニング用のマウスピースの作製には、1週間ほどいただいています。
マウスピースが届くまでの約7週間には、医院でのホワイトニングを2回〜3回、自宅でのホワイトニングを約1ヶ月進めます。矯正を始めると決めてから、マウスピースが届くまで待つだけの時間にせず、その間に先に歯の色を明るくしておけることが、患者様にとっての利点です。
アタッチメントのない1枚目・2枚目のマウスピースの期間も、ホワイトニングに使う
前述の症例の方がホワイトニングを行ったのも、この期間です。
当院では、インビザラインの最初のマウスピース(1枚目・2枚目)の期間は、マウスピースに慣れていただくため、アタッチメントをまだ付けていません。この期間は1ヶ月弱ほどあり、アタッチメントのない状態でホワイトニングを続けられる大切な期間です。
この期間には、医院でのホワイトニングを1回〜2回、自宅でのホワイトニングを約1ヶ月続けます。マウスピースが届くまでの期間とあわせて、アタッチメントを付ける前までに、医院でのホワイトニングを合計3回〜5回、自宅でのホワイトニングを合計約2ヶ月行うことを目安に進めます。
また、結婚式や前撮りなどの予定があり、少しでも早く歯の色をきれいにしたい方は、アタッチメントを付ける前の期間を長めにとり、ホワイトニングの期間を長めに確保することで、期日までにより歯の色をきれいに整える、といった対応をすることもあります。一方で、矯正を始める方の中には、歯並びを早く整えたいと考える方も多いため、ホワイトニングと矯正のどちらを優先するかは、患者様のご希望を伺って決めています。
>>マウスピース矯正を始めて最初の1ヶ月の変化について詳しくはこちら
アタッチメントを付ける日とホワイトニングを行う日は、接着のために間隔を設ける
アタッチメントは、歯の表面に歯科用のプラスチック(コンポジットレジン)を接着して付けます。ホワイトニングの直後は、歯の表面に薬剤の成分が残るため、この接着が一時的に弱くなることがあります。
12歳〜17歳の38名を対象にした臨床研究では、医院での高濃度のホワイトニング(38%過酸化水素)を行ったあと、24時間以内に付けたブラケット(ワイヤー矯正の装置)の14.5%が外れたのに対し、3週間後に付けたもので外れたのは2.1%でした。研究の著者は、医院で38%過酸化水素のホワイトニングをした場合は、2週間〜3週間あけてから装置を付けることを勧めています。これはアタッチメントではなく、ブラケットを調べた研究です。つまり、ホワイトニングの直後に矯正の装置を接着すると、外れやすくなることがあるということです。
そのため当院では、アタッチメントを装着する日とホワイトニングを行う日の間には一定の間隔を設けています。接着に問題が生じないよう配慮しつつ、アタッチメントを付けるまでの間にできる限り歯を白くしておけるよう、ホワイトニングの日程を計画しています。
アタッチメントを付けたあとは、自宅でのホワイトニングで白さを保つ
アタッチメントを付けたあとも、コースに含まれる残りの医院でのホワイトニングと、自宅でのホワイトニングを続けられます。
アタッチメントを付けるまでに、ある程度しっかり白くしておけば、その後は白さを保つことが目的になります。そのため、アタッチメントを付けたあとは、矯正用のマウスピースに薬剤を入れる自宅でのホワイトニングを、矯正と並行して続けていく形になります。
白さを保つための費用は、最初に白くするときと比べて大きくありません。目安は、後ほど費用のところでご説明します。
親知らずの抜歯や抜歯矯正で歯を抜いたあとは、1週間ホワイトニングを休む
矯正の前に親知らずを抜く場合や、抜歯矯正で歯を抜く場合(便宜抜歯)は、抜いた部分の治りを優先するため、抜歯後1週間は、医院でのホワイトニングも、自宅でのホワイトニングも行いません。抜いた部分の治りを確認してから、ホワイトニングを再開します。
そのため、抜歯を伴う矯正では、アタッチメントを付けるまでに、予定していたホワイトニングを終えられないことがあります。抜歯の予定がある方は、抜歯の時期も含めてホワイトニングの日程を組んでいきます。
矯正中のホワイトニングで気をつけたいことと、当院での対処

矯正中のホワイトニングでは、アタッチメントの部分の色ムラと、歯がしみる症状に気をつけたいところです。ここでは、矯正中のホワイトニングで気をつけたいことと、当院での対処を順にご説明します。
アタッチメントの部分は、白くなりにくいことがある
インビザラインの開発元であるアライン・テクノロジー社は、インビザライン用の専用のホワイトニング剤について、薬剤から生じる成分が歯全体に行き渡るため、白くしたい歯の面すべてに薬剤が直接触れていなくてもよく、アタッチメントが付いていても使えると案内しています。
研究でも、アタッチメントを付けた状態でホワイトニングを行うと、着色が減った(白くなった)と報告されています。抜いた歯40本を使った実験室の研究では、インビザラインのマウスピースに過酸化水素6%の薬剤を入れてホワイトニングを行ったところ、アタッチメントの有無にかかわらず、着色が減りました。この研究の著者は、アタッチメントを外すのを待たずにホワイトニングを勧めてよいとまとめています。
一方で、牛の歯を使った別の実験室の研究では、アタッチメントがあると、ホワイトニングで白くなる程度が下がり、色の均一さが損なわれたと報告されています(ただし、ホワイトニングをしない場合よりは白くなっています)。つまり、アタッチメントが付いていても歯は白くなりますが、アタッチメントのない歯と同じように均一に白くなるかは、まだはっきりしていません。どちらも実験室の研究のため、口の中で同じ結果になるとは限りません。
当院の副院長も、臨床で感じていることとして、矯正が終わってアタッチメントを外したときに、全部の歯ではないものの、アタッチメントが付いていた部分がわずかに白くなっていないと感じることがあります。ホワイトニングを担当する歯科衛生士も、アタッチメントやボタンが付いていると、人によっては白くなりにくいことがあると感じています。
当院の実感では白くなりにくい方もいるので、当院では、アタッチメントが付く前に白くしておくことをおすすめしています。また、矯正が終わってアタッチメントを外したあと、色の差が気になる場合は、追加でホワイトニングを行って色をそろえることもできます。当院でも、矯正後に追加のホワイトニングを行って色をそろえています。
歯の重なりが大きい状態では、色ムラが出ることがある
歯の重なり(叢生)が大きい状態でホワイトニングを始めると、歯の色にムラが出る可能性があると当院では考えており、矯正前から始める場合の注意点としてお伝えしています。
歯の重なりが大きく、色ムラが気になる方は、どのタイミングでホワイトニングを始めるか、矯正相談の際にご相談ください。
歯を動かしている時期は、ホワイトニングでしみやすくなることがある
ホワイトニングでは、施術中や施術後に、歯が一時的にしみる症状(知覚過敏)が出ることがあります。日本歯科審美学会の指針では、ホワイトニングの知覚過敏は通常一時的で、ホワイトニングを中止すれば数時間〜数日で消えるとされています。
そのうえで、副院長が臨床で感じていることとして、矯正で歯を動かしている時期は、ホワイトニングで歯がしみやすくなる方がいる印象があります。矯正そのものでも、歯がしみることがあります。しみる症状が強く出て、ホワイトニングをいったん止める方もいますが、それほど多くはありません。
当院では、矯正中にホワイトニングを行う方には、なるべくしみにくい薬剤を選び、しみたときにはしみ止めの薬を塗るなどの対策をしています。しみたときに、原因が矯正かホワイトニングかによって対処を変えることは、次でご説明します。
しみたときは、原因が矯正かホワイトニングかを見分けて対処を変える
矯正中にホワイトニングをしていると、歯がしみたときに、それが矯正によるものなのか、ホワイトニングによるものなのかを、患者様ご自身で見分けるのは難しいことがあります。これは、矯正中にホワイトニングを行う際の注意点の一つです。
当院では、矯正を担当している副院長が、「今動かしている歯なので、矯正の影響でしみているのかもしれない」と判断できるため、原因に合わせて対処を変えています。
- ホワイトニングによるしみ:当院で行っているボーテ式ホワイトニング(後述)では、しみを抑えるコーティング剤を扱っており、しみが出たときは、しみ止めの薬をマウスピースに入れて歯にパックしていただきます
- 矯正によるしみ:症状が強い場合は、ホワイトニングをいったん止めることもあります。通常の知覚過敏の薬を塗り、症状が落ち着いてから、ホワイトニングを再開します
このように対処を変えられるのは、矯正とホワイトニングを同じ医院で行い、担当者どうしで歯の状態を共有しているためです。しみる症状が出たときは、我慢せずにご相談ください。
被せ物の歯は白くならないなど、ホワイトニングができない場合もある
ホワイトニングには、白くできない歯や、ホワイトニングを受けられない場合もあります。当院では、主に次のような点をご説明しています。
- 被せ物や詰め物をした歯は、ホワイトニングでは白くなりません
- 神経のない歯は、ホワイトニングの効果が出にくいことがほとんどです
- むし歯や歯周病の状態によっては、ホワイトニングができないことがあります
- ホワイトニングの対象は19歳以上です。妊娠中・授乳中の方のホワイトニングは、当院では行っていません
- 無カタラーゼ症の方は、ホワイトニングを行えません
- 歯の質によっては均一な白さにならず、色ムラが生じることがあります
また、ホワイトニングの白さは永久的ではなく、時間とともに少しずつ戻ります。白さを保つためには、定期的なクリーニングや、自宅で行うホワイトニングによるメインテナンスが必要です。
矯正中のホワイトニングの費用|矯正と同時に始める場合の割引

ホワイトニングは、保険が適用されない自費診療で、費用は方法やコースによって異なります。当院では、矯正とホワイトニングを同時にご契約いただく場合の割引があります。
当院でおすすめしているデュアルホワイトニング3ヶ月コースの費用
当院がおすすめしているのは、デュアルホワイトニングの3ヶ月コースです。多くの方の歯の色に合うコースで、矯正と同時にご契約いただく場合の割引も、このコースを対象にしています。
- 内容:医院でのホワイトニング6回、オーダーメイドのマウスピース(上下)、自宅用のホームジェル(5日分×18本)、専用の歯磨き粉など
- 費用:149,000円(税抜)/163,900円(税込)
- 矯正と同時にご契約の場合:さらに10,000円引きの139,000円(税抜)/152,900円(税込)
- 有効期限:6ヶ月
いずれも自費診療です。矯正の途中や矯正後からホワイトニングを始める場合は、矯正と同時にご契約いただく場合の割引の対象外となります。
白さを保つための費用の目安
白くなったあとは、前述のとおり、自宅で行うホワイトニングで白さを保っていきます。白さを保つための費用は、追加のホームジェルの費用が中心です。
矯正の患者様は、追加のホームジェルを2本で6,600円(税込)でご購入いただけます。ホームジェルは1本で10回ほど使えるため、白さを保つための費用は、1ヶ月あたり1,000円〜2,000円ほどが目安です。
最初に白くするときには費用がかかりますが、白さを保つための費用はそれほど大きくありません。ほかのプラン(1ヶ月・2ヶ月・プレミアムのコースや、自宅で行うホワイトニングだけのセットなど)の費用は、当院のホワイトニングのページをご覧ください。
矯正中のホワイトニングで、当院が大切にしていること

当院の特徴は、矯正とホワイトニングを1つの医院で、同じ計画の中で進められることです。ここでは、矯正中のホワイトニングで当院が大切にしていることをご紹介します。
8ヶ月以上の研修を受けて試験に合格したホワイトニングセラピストが対応
当院のホワイトニングは、ボーテ式ホワイトニングの研修を8ヶ月以上受け、試験に合格したホワイトニングセラピストの歯科衛生士が担当しています。副院長の認識では、この資格を持つホワイトニングセラピストがいる医院は、広島県内でも1院〜2院ほどです。
ボーテ式ホワイトニングでは、しみを抑える成分と、歯を強くするアパタイトを含む薬剤を使います。施術の仕上げには、アパタイト入りのペーストで歯の表面を整えるため、施術後の飲食制限がありません。
矯正中は、歯を動かしていることでしみやすく感じる方もいらっしゃいます。しみに配慮した薬剤と、研修を受けたホワイトニングセラピストの対応で、矯正中の方にも負担の少ないホワイトニングを目指しています。
矯正とホワイトニングで連携して治療計画を作り、患者様ごとのスケジュールを組む
当院では、インビザライン社公認講師の副院長が、矯正の治療計画から毎回のチェックまで担当しています。矯正を担当する副院長と、ホワイトニングを担当する歯科衛生士が、マウスピースが届くまでの期間、アタッチメントを付ける時期、抜歯の予定、結婚式などのご予定を共有し、患者様ごとにホワイトニングのスケジュールを組んでいます。
矯正とホワイトニングを同じ医院で行うことで、アタッチメントを付ける時期や抜歯の予定に合わせて、ホワイトニングの計画を立てられます。アタッチメントを付けたあとも、歯の状態を見ながらホワイトニングを続けられます。
歯並びと歯の色の両方を整えたい方にとって、1つの医院で、1つの計画として進められることが、当院で矯正中のホワイトニングを行う利点です。
矯正中のホワイトニングに関するよくある質問

矯正中のホワイトニングについて、患者様からよくいただく質問にお答えします。
矯正中にホワイトニングの歯磨き粉を使ってもいいですか?
一般的には、矯正中でもホワイトニングの歯磨き粉は使えますが、ホワイトニングの歯磨き粉は、主に歯の表面の着色を落とすためのもので、歯そのものの色を白くするものではありません。
コーヒーやお茶などによる表面の着色が気になる方には、ホワイトニングの歯磨き粉も役立ちます。一方で、歯そのものの色を明るくしたい場合は、歯科医院で行うホワイトニングをご検討ください。
なお、マウスピース矯正中の方は、マウスピースのお手入れに歯磨き粉を使わないようにしましょう。歯磨き粉に含まれる研磨剤でマウスピースに細かい傷がつき、汚れがつきやすくなったり、透明感が損なわれたりすることがあります。
市販のホワイトニング剤を、矯正用のマウスピースに入れて使ってもいいですか?
市販のホワイトニング剤を、ご自身の判断で矯正用のマウスピースに入れて使うことはおすすめしていません。ホワイトニングは、歯や歯ぐきの状態を確かめたうえで、歯科医院で用意した薬剤を使って行います。
むし歯や歯周病がある状態でホワイトニングを行うと、強くしみる原因になることがあります。当院では、ホワイトニングの前に、むし歯や歯周病がないかを確かめ、クリーニングを受けていただいてから始めています。矯正中にホワイトニングをしたい方は、まずはご相談ください。
結婚式などの予定に合わせて、矯正中にホワイトニングできますか?
できます。予定の日から逆算して、矯正を始める前やアタッチメントを付ける前の期間を使い、ホワイトニングを進める計画を立てられます。
当院でも、結婚式などのイベントに間に合わせたいという理由で、マウスピースが届く前からホワイトニングを始める方がいらっしゃいます。また、前述のとおり、矯正の完了を急がない方は、マウスピースの交換を2週間ごとにして、ホワイトニングの期間を確保する方法もあります。
ご予定がある方は、矯正相談の時点で日程をお伝えください。矯正とホワイトニングの両方の日程を考えて、計画を立てていきます。
矯正中に白くした歯は、矯正が終わったあとも白さが続きますか?
ホワイトニングの白さは永久的ではなく、時間とともに少しずつ戻ります。ただし、最初に集中して白くしておくと戻りにくいとされ、その後も自宅で行うホワイトニングを続けることで、白さを保ちやすくなります。
日本歯科審美学会の指針では、ホワイトニングを終えてから2週間ほどの間に色が多少戻り、その後は比較的安定するとされています。
矯正が終わったあとは、整えた歯並びを保つための保定装置(リテーナー)を使う期間に入ります。この期間にも、自宅で行うホワイトニングで白さを保つ方法をご相談いただけます。
まとめ:矯正中のホワイトニングは、アタッチメントが付く前から計画的に始めるのがおすすめです

マウスピース矯正であれば、矯正中でも、矯正用のマウスピースを使ってホワイトニングを並行して進められます。ホワイトニングは矯正前・矯正中・矯正後のどこからでも始められますが、アタッチメントの部分は白くなりにくいことがあるため、当院では、アタッチメントが付く前から始めることをおすすめしています。
矯正中は歯がしみやすく感じることもありますが、当院では、矯正を担当する副院長とホワイトニングを担当する歯科衛生士が連携し、しみる原因を見分けて対処しています。最初に集中して白くしておけば、その後は自宅で行うホワイトニングで白さを保ちやすくなります。
「矯正をするなら、歯の色も一緒に白くしたい」とお考えの方は、まずは当院の矯正相談でご相談ください。歯並びと歯の色を確かめたうえで、矯正とホワイトニングをどのように進めるか、一人ひとりに合わせた計画をご提案いたします。
参考文献
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3. Mullins JM, Kao EC, Martin CA, Gunel E, Ngan P. Tooth whitening effects on bracket bond strength in vivo. Angle Orthod. 2009;79(4):777-783. https://doi.org/10.2319/042308-226.1(38名で、ホワイトニングのあとにブラケットを付けるまでの期間と外れやすさを調べた臨床研究)
4. Align Technology. Invisalign Professional Whitening System. https://www.invisalign.com/provider/invisalign-solutions/for-general-dentists/whitening(インビザライン用の専用ホワイトニング剤と、アタッチメントが付いた状態での使用についての開発元の案内。2026年10月20日確認)
5. Bilginer P, Kurnaz M, Basaran E. Evaluation of tooth discoloration and bleaching response in the presence of clear aligners and attachments. Eur J Orthod. 2026;48(3):cjag023. https://doi.org/10.1093/ejo/cjag023(抜いた歯40本で、マウスピースとアタッチメントがある状態での着色とホワイトニングの効果を調べた実験室の研究)
6. Rodrigues RJG, Oporto AJSP, Saraceni CHC, Cavalli V, Fronza BM, Kury M, Sendyk M. Do resin composite type and bleaching regimen influence tooth color change under attachment presence? An in vitro study. Int Orthod. 2026;24(4S):101236. https://doi.org/10.1016/j.ortho.2026.101236(牛の歯90本で、アタッチメントがある状態でのホワイトニングの効果と色の均一さを調べた実験室の研究)
7. 日本歯科審美学会. 歯のホワイトニング処置の患者への説明と同意に関する指針. https://www.jdshinbi.net/pro/pdf/shishin_hp_20200403.pdf(2018年作成、2019年公開。ホワイトニングの知覚過敏、効果の持続と後戻りなどについての学会の指針)
