「顎間ゴムの種類は、どれくらいあるの？」
「顎間ゴムは、矯正治療する際に、必ず使用するものなの？」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか？
そもそも「顎間（がっかん）ゴム」とは、小さい医療用のゴムで、別名「エラスティックゴム」とも呼ばれています。
歯を移動させるための「補助装置」として使用されるもので、噛み合わせの改善に効果的です。
使い始めるタイミングや目的、使用する顎間ゴムの種類などは、患者さまの症状によってそれぞれ異なります。
中には、矯正開始当初から必要な患者さまもいますし、最後まで顎間ゴムが必要ない患者さまも。
どのような症例の場合に顎間ゴムが使われるのか？使用する際の注意点などについても気になるところですよね。
そこで本記事では、顎間ゴムとはどのようなものなのか？使用する目的や顎間ゴムの種類、注意点などについて詳しく解説していきます。
顎間ゴムとは？
そもそも「顎間（がっかん）ゴム」とは、どのようなものなのでしょうか？
顎間ゴムとは、矯正治療中に使用する、小さな輪ゴムのようなものです。
別名「エラスティックゴム」とも呼ばれており、ワイヤー矯正だけでなく、マウスピース矯正（インビザラインも含む）でも使用されます。
さまざまなサイズや強さ（ゴムの太さ）があり、歯を移動させたい角度や方向・距離などによって、いくつかのゴムを交換しながら治療を進めていきます。
顎間ゴムは、患者さまご自身で付けたり外したりしなければなりません。
上下に引っ掛けることによって、噛み合わせを整えたり、歯を移動させたりする役割があるのが特徴。顎の位置を整える効果もあります。
使用するタイミングについては個人差がありますが、「矯正装置である程度歯が動いた後」となるのが一般的です。
ただし、患者さまの症状によっては、治療開始当初から矯正治療が終わるまで顎間ゴムが必要となるケースも。
その一方、最後まで使用しなくて良い場合もあります。
難しい症例の場合、顎間ゴムを使用する期間が長くなってしまう傾向があるため注意しましょう。
顎間ゴムを使用する目的とは？
顎間ゴムは、なぜ使用されるのでしょうか？
顎間ゴムは、主に「歯列全体を移動させる」という目的で使用されます。
受け口や出っ歯・開咬など「後ろ方向に引っ込めたい」「前方向に引っ張りたい」といったケースでも、正確に歯の位置を整えることが可能です。
ゴムの種類や掛け方などを変えながら、理想とする歯並び・噛み合わせになるよう調整します。
ワイヤーやマウスピースだけでは動かしにくい部分も、顎間ゴムを使用すれば、微調整できる点もポイントのひとつ。
また、矯正治療の効果を最大限発揮させるために用いられる場合もあります。
矯正装置と顎間ゴムを併用することによって、治療期間の短縮にもつながるでしょう。
顎間ゴムの種類
一言で「顎間ゴム」といっても、さまざまな種類があります。
主な顎間ゴムは、下記の4種類です。
- II級ゴム
- Ⅲ級ゴム
- 垂直ゴム
- 交叉ゴム
ひとつずつチェックしていきましょう。
II級ゴム
II級ゴムは、主に上顎前突（出っ歯）の治療で使用されます。
上の犬歯と下の第一大臼歯の近くに、斜めに顎間ゴムを引っ掛ける方法です。
上顎が前方に出ている場合、下顎を前に引っ張りながら、上顎を後ろに移動させていきます。
出っ歯の判断基準や治療法についての詳細は、下記の記事でまとめています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
出っ歯はどこからが出っ歯なの？判断基準や放置するリスク・治療法を解説！
Ⅲ級ゴム
Ⅲ級ゴムは、主に受け口（反対咬合）の症例で使用されます。
下の前歯が前方に出ている治療に効果的です。
下顎の犬歯と、上顎の第一大臼歯に、斜めにゴムを引っ掛けます。
ゴムの力によって、下顎は後方へと移動し、上顎は前方向に動いてくれるのが特徴です。
受け口になる原因や放置するリスクの詳細は、下記の記事で解説しています。ぜひ併せてチェックしてみてください。
子供が反対咬合（受け口）になる原因は？放置するリスクや治療法を解説！
垂直ゴム
垂直ゴムを使用する症例は、正しい噛み合わせが難しい「開咬（かいこう）」の治療です。別名「オープンバイト」とも呼ばれています。
上下の犬歯に、垂直に顎間ゴムを引っ掛けて、隙間をなくしていく治療法です。
患者さま一人ひとりの症状によって、使用するゴムの本数や治療期間などが異なるので注意しましょう。
交叉ゴム
交叉ゴムは、一般的に「交叉咬合（こうさこうごう）」の症例で用いられます。
交叉咬合とは、上下の歯の噛み合わせが、横方向にズレている状態。
上の歯が下の歯の内側に噛み込んでいるケースです。
上顎と下顎の歯の表側・裏側それぞれにフックを設置し、ゴムを斜めに交差させて引っ掛け、噛み合わせを整えていきます。
顎間ゴムの強さとサイズ
顎間ゴムには、さまざまな強さとサイズがあります。
ゴムの強さやサイズは、担当の医師が、患者さま一人ひとりの症状や治療の進み具合などを考慮して選択するものです。
サイズによって、太さが異なるゴムが用意されており、サイズが小さく太い顎間ゴムほど大きな力が加えられます。
反対に、サイズが大きくて細いタイプのゴムの場合は、力が弱いということです。
矯正の進行度合いや治療のタイミングなどによって、適切な顎間ゴムを使い分けていきます。
また、顎間ゴムには「天然ゴム」と「非ラテックスゴム」の2種類の素材があり、アレルギーをお持ちの方は「非ラテックスゴム」を使用します。
顎間ゴムを使用する際の3つの注意点
顎間ゴムは、矯正治療を行う上で重要な役割を果たすことがわかりましたが、使用時の注意点についても気になるところです。
下記の3つのポイントに気をつけましょう。
- 顎間ゴムの装着時間を守る
- 顎間ゴムは1日1回交換する
- 口を大きく開けるときは気をつける
それぞれ解説していきます。
顎間ゴムの装着時間を守る
顎間ゴムは、装着時間を守ることが重要です。
基本的には、1日20〜22時間以上付けておかなければなりません。
食事と歯磨き以外の時間は、常に付けておくことをおすすめします。
サボってしまうと、予定通りに歯が動かなかったり、治療期間が延びてしまったりしますので注意が必要です。
ただし「顎が疲れてしまう」「引っ張られることで、痛みを感じている」という場合には、速やかに担当医師に相談しましょう。
ゴムの強さを変えることによって、症状が改善するケースもあります。
顎間ゴムは1日1回交換する
顎間ゴムを使用する際の注意点2つ目は、1日1回の交換です。
顎間ゴムは、歯科医院で付けてもらうものではなく、自分自身で付け替えなければなりません。
「顎間ゴムを使用する目的」の章でも触れたように、ゴムの力で、歯並びや噛み合わせを整えるために使用しています。
伸び切ったゴムをつけていても、効果は得られません。
スムーズに矯正治療を進めるためにも、必ず1日1回は、新しいゴムに交換しましょう。
口を大きく開けるときは気をつける
無意識に欠伸をしたり、友人との会話で盛り上がったりした際は、思わず口を大きく開けてしまうこともありますよね。
その際に、ゴムが切れてしまう恐れも。
外出先だと、替えのゴムがないケースもあるかもしれません。
口を大きく開けるときには、十分に気をつけるようにしましょう。
まとめ｜顎間ゴムは噛み合わせの改善に効果的
本記事では、顎間ゴムとはどのようなものなのか？使用する目的や顎間ゴムの種類、注意点などについて詳しく解説してきました。
ワイヤー矯正だけでなく、マウスピース矯正でも使用される顎間ゴムは、細かい歯並びの調整や噛み合わせの改善に効果的であることがわかりましたね。
また、さまざまな種類があり、症例によって使い分けられています。
1日20時間〜22時間付けておく必要があり、毎日交換するなどの手間や煩わしさもあるかもしれませんが、矯正治療をスムーズ且つ効果的に進めていく上で必要不可欠なものです。
「自分の歯並びには、顎間ゴムが必要かどうか診てもらいたい」
「ワイヤー矯正は抵抗があるので、マウスピース矯正が可能か判断してほしい」
という方は、ぜひ一度「のざき歯科・東広島おとなこども矯正歯科」にご相談ください！
当院では、日本でわずか30名の「インビザライングローバルトップドクター」が矯正治療を担当いたします。
他院で「ワイヤー矯正でしか治せない」と言われた方でも、当院ならインビザラインで対応できるケースも！
また「費用面が不安」という方も多いですよね。費用が心配で、躊躇しているという人も珍しくありません。
のざき歯科・東広島おとなこども矯正歯科では、通院ごとの調整料がかからない「トータルフィー制度」を採用。
費用に関する悩みも軽減できるはずです。
虫歯や歯周病の治療も、ワンストップで対応できますし、矯正治療に関する無料相談も行っています。矯正前だけでなく、矯正中でもLINE相談が可能です。
ぜひお気軽にお問合せくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。