「舌にも正しい位置があるって本当？」
「舌の位置が正しくない場合、どんな影響が出る？」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実は、舌にも正しい位置があります。
舌の位置が正しくない場合、歯並びや顔のたるみ・体調面にも影響を及ぼすので、注意しなければなりません。
そこで本記事では、舌の正しい位置や舌の位置が悪いとどうなるのか？自宅でできる舌のトレーニングについて詳しく解説していきます。
舌の正しい位置とは？
舌の正しい位置は、どこなのでしょう？
口を閉じたとき、自分の舌はどこに当たっているのかチェックしてみましょう。
正しい舌の位置は、舌の先が前歯の裏側（下記画像の「スポット」の部分」にくっついており、舌全体が上あごの裏に軽く触れている状態です。
舌の先が上の歯と下の歯の間、または下の歯に当たっている場合には、舌の筋力が弱まっている可能性もあるため注意しなければなりません。
この状態を「低位舌（ていいぜつ）」と呼びます。
低位舌は、さまざまな悪影響を及ぼすことがあるため、正しい舌の位置を意識して生活することが重要です。
舌の位置が正しくない場合はどうなる？
舌の位置が正しくない場合は、どのような悪影響を及ぼすのでしょうか？
- 歯並びが悪化する恐れ
- 口呼吸になる
- いびきや無呼吸症候群（睡眠時）
- 発音や滑舌が悪い
- 顔のたるみ
ひとつずつ解説していきます。
歯並びが悪化する恐れ
舌の位置が正しくないと、歯並びにも影響を及ぼす可能性があります。
舌が常に前歯を押している状態であれば「出っ歯」や「受け口」につながることも。
また、矯正中の場合は、治療期間が長引くことも考えられます。なぜなら、正しい方向に歯が動こうとしても、舌で歯を押し戻してしまうケースもあるのです。
口呼吸になる
口呼吸には、さまざまなデメリットがあります。
舌が正しい位置にない場合、口呼吸になってしまうケースが多く、唾液の分泌量が減ってしまうのです。
唾液の分泌量が少ないと、口腔環境を清潔に保つことが難しくなるだけでなく、むし歯や歯周病・口臭を引き起こす可能性も。
また口呼吸は、空気中の細菌やウイルスを吸い込むリスクが高いため、風邪を引きやすくなるのも特徴です。
いびきや無呼吸症候群
舌の位置が正しくないと、いびきや睡眠時の無呼吸症候群を引き起こしてしまいます。
これは、舌の位置が悪いため「気道」を塞いでしまうことが原因です。
必要な空気をうまく取り込めなくなるため、睡眠にも支障をきたしてしまいます。
無呼吸症候群は、睡眠時に呼吸が一時的に止まってしまう病気。症状は人によって異なりますが、日中眠気に襲われたり、集中力が低下したりするケースも。
それだけでなく、呼吸が止まる度に血圧が上昇するため、高血圧のリスクも高まります。高血圧になると、心臓病や脳卒中を引き起こす要因ともなるため、早めの対応が必要となるでしょう。
発音や滑舌が悪い
舌の位置が正しくないと、発音や滑舌にも悪影響を及ぼします。
低舌位の場合、舌の筋肉が弱いので、舌がスムーズに動きません。
これによって「サ行」「タ行」「ラ行」の発音がしづらくなってしまうのです。
また、食べこぼしが多かったり、食事中にクチャクチャ音がしてしまったりする場合も。
舌の筋肉は、日々のトレーニングで高めることができますので、意識的に取り入れましょう。
顔のたるみ
舌が正しい位置に置かれていない場合、顔がたるみやすくなる傾向があります。
舌と顔周りの筋肉は密接につながっているため、舌の筋力が低下してくると、顔のたるみを引き起こしてしまうのです。
また、低舌位の状態が長く続くほど舌骨が下がってしまうため、顔全体のバランスも悪くなってしまうでしょう。
正しい舌の位置に改善するトレーニング
正しい舌の位置にするためには、日々のトレーニングを意識することが重要なポイントです。
舌のトレーニングにはさまざまなものがありますが、代表的なものを3つ紹介します。
自宅でいつでも手軽に行うことができますので、定期的に実践し、低舌位を予防するようにしましょう。
- 舌回し
- ガムトレーニング
- MFTベーシックエクササイズ
順番に解説していきます。
舌回し
舌回しは、口の周りの筋力をつけるのに非常に効果的です。顔のたるみや口呼吸・発音の改善にも役立ちますので、毎日定期的に行うと良いでしょう。
まずはリラックスして口を閉じます。舌の先を上あごにつけて、口内にゆっくり大きな円を描いていきましょう。
まずは「時計回り」で10回、続いて「反時計回り」で10回行います。苦しかったり難しいと感じたりした場合は、無理せず5回程度から始めても問題ありません。
1日3セットを目標に、続けていくのがおすすめです。
ガムトレーニング
ガムトレーニングとは、低舌位を改善するための簡単なトレーニング方法のひとつ。
舌の筋肉を強化してくれるのはもちろん、舌の動きがスムーズになります。
また、口呼吸や嚥下機能（えんげきのう）の改善にも効果的。嚥下機能とは「食べ物を飲み込む機能」のことで、食べ物を咀嚼し、喉の筋力で食道から胃に送る一連の動作を指しています。
ガムトレーニングは、ガムをよく噛んで舌の先で丸めておきます。舌全体を使って丸めることを意識しましょう。
舌の正しい位置（スポット）の部分に、丸めたガムを押し当て、正確な位置を把握。そこで唾液を飲み込みます。
飲み込むときには、舌をスポットに押し当てたままにしておくのがポイント。
1日あたり、3分程度行うのがおすすめです。
MFTベーシックエクササイズ
MFTベーシックエクササイズとは「口腔筋機能療法」とも呼ばれており、口の周りの筋肉を改善するトレーニングです。
飲み込みづらさや口呼吸の改善、発音や歯並びの改善にも効果が期待できます。
MFTのやり方にはさまざまな種類がありますが、ここでは代表的なものを紹介します。
まずは、舌を平らにしたり丸めたり、尖らせたりしましょう。形を変えて、舌を動かすことが大切です。
次に、箸を使用し、舌の先や真ん中に強く押しつけます。
そこから、口を大きく開け、舌先で唇全体をゆっくりとなぞりましょう。
最後に、口を大きく開けたまま上を向き、ガラガラとうがいを行います。そのまま数秒、スポットに舌の先を押し当てましょう。
「ちょっと難しい」「やり方が合っているのか、確認してもらいたい」という場合は、歯科医院に相談してみるのがおすすめです。
まとめ｜舌の位置が正しいかどうかは歯科医院でチェックしてもらおう
本記事では、舌の正しい位置はどこなのか？舌の位置が正しくないと、どのような悪影響があるのか、自宅でできる舌のトレーニングなどについて詳しく解説してきました。
普段、自分の舌の位置を気にする機会は、ほぼありませんよね。
しかし、舌の位置が間違っていると、さまざまな悪影響を引き起こすことがわかりました。
舌の筋力をつけるためには、日頃から舌のトレーニングを意識することが大切です。
「舌の癖が強くて、歯列矯正を躊躇している」という方も多いかもしれません。
舌の位置や歯並びでお悩みの方は、のざき歯科・東広島おとなこども矯正歯科にお任せください。
舌のトレーニングを行っても、なかなか改善しないというケースも珍しくありません。舌の癖が強い方には、プレオルソやインビザライン（マウスピース矯正）がおすすめ。
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最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。